多くの人が、ダイエットという言葉を『痩せる』『体重を落とす』という意味で用いていて、ぼく自身もそのような意味で使う事があります。
ですが、身体的な変化だけをダイエットとすると、制限・我慢・気合・根性といったストイックなイメージがついてしまい、狭く窮屈な印象を与えているしている気がします。
ぼくは、パーソナルトレーナーとして何度もダイエットサポートしてきましたが、ダイエットというのはもっと可能性があるもので、広い意味として捉えた方が良いと考えています。
本来ダイエットは、
『生活様式、生き方(diaita)』
『生活を導く(diaitasthai)』
『選ぶ(diaitan)』
『毎日こなす事、日々の仕事、食事の許容量(dieta)』
という意味が語源となっています。
この語源から、ぼくなりに解釈すると、ダイエットというのは、
「日々どんな価値観のもと、何を選択し、どう生きるのか?」
という『生き方そのもの』なんだと、考えています。
ダイエットというのは、長い人生の中で、たまに開催するお祭りではありません。
一時的な制限や我慢で痩せるのは、お祭りのような「非日常」になってしまうので、「日常」に戻れば身体も元に戻ってしまいます。
本来、ダイエットは「日常」や「生き方」そのものである必要があり、そうでなければ一生理想の身体でいつづけるけるのは不可能です。
なので、「ダイエットをしているんだ」と一大イベントのように考えている時点で、たとえ、その時に痩せたとしても「ダイエットが成功した」とは言えないと思います。
ダイエットは、「ダイエットをしている」という感覚がなくなり、よりよく生きるために考え、よりよく生きるために最適な判断が自分なりに出来ていて、その時の自分に満足していることが大事なのです。
なので、仕事を優先したり、恋愛を優先したりして、その時々であえて体型を意識しすぎないようにするなど、優先度を下げるという選択も「ダイエット」のひとつなのです。
『今は、めいいっぱい遊びたいから休日はお出かけして美味しいものを食べる』
『家族ができて健康を意識しなければいけないから健康的な食事を選ぶ』
『コンテストに出るために、毎日ストイックに食事制限をする』
『仕事を頑張りたいから、食事と運動はちょっと後回し…』
どれも、人それぞれの価値観で正解はありません。
その都度、どう生きると幸せか?どうなりたいのか?から逆算して、優先順位をはっきり決めながら、幸せに、健康に生きるために、人生を微調整できる事がダイエットでは大切です。
たまに、「痩せること」自体が目的なり、ダイエットのため人生のになっている方に出会います。
本来ダイエットは、「とらわれる」ものではなく、自分らしく生きるための「こだわり」のようなもので、可能性に満ちた、前向きなものではないかと思っています。
ダイエットを頑張れば頑張るほど、視野が狭くなってしまいます。
いろんな「知識」や「考え方」を知って、視野を広くし、より良い生き方が見つける。
そういったこともダイエットだと言えます。
そう考えると、ダイエットという言葉が何か楽しいものだったりプラスなイメージになるかと思います。
考え方次第では、けっこうダイエットも楽しいかもしれませんよ。
自分と向き合う習慣から
ダイエットとは、自分と向き合う事です。
自分に興味を持ち、自分をもっと知るきっかけになるものです。
自分はどんな性格なのか、弱い部分をどれだけ許容してあげて、どれだけ自制してあげれば良いのか。
ダイエットを成功させ、リバウンドをしない人は、それ(自分)をよく知っている気がします。
なので、体重に一喜一憂したりしないし、食べすぎても落ち込んだりせず、食事やメンタルをうまくコントロールし、失敗や成功を繰り返しながら、試行錯誤しています。
上手く行く方は、決してストイックなわけではなく、自分の弱い部分を受け入れ、許容しながら、慌てず地道に積み重ねているんですね。
なので、完璧にできない自分を責めたりはしないでください。
それは、痩せてもダイエットにはなっていません。
時間がかかり、辛いこともありますが、焦らず積み重ねていけば、きっと新しい自分と景色が見えてきます。
自分と向き合い、新しい自分を発見しましょう。