体脂肪を落とし、体型や体質を改善する際に、まず知っておかなければいけないのは「減量」と「ダイエット」の違いです。
「減量」=短期的に体重・体脂肪を減らす。
「ダイエット」=中・長期的に生活習慣の改善する。
というように使い分けています。
この、2つはどちらが良いということではなく、違いを知った上で、その都度切り替えながら使い分ける必要があります。
たとえば「減量」を選択する状況は、
「旅行や結婚式の為、早く身体を絞らなきゃいけない」
「ボクシングの試合やコンテストまでに体重を落とさなきゃいけない」
など緊急を要し、短期的にどうしても体重を落としたり体型を変えたりしなきゃいけないときです。
ダイエットの場合は、
「健康的な食生活や運動習慣を身に付けていきたい」
「リバウンドをしないよう、引き締まった身体づくりをしたい」
など、中・長期的に考えて、生活に溶け込むように習慣化していくものです。
これをしっかり認識していると、例えば「甘いものをおやつで食べる」という状況になった時にどう考えればいいかが変わってきます。
「減量」であれば、1食1食が大事になるので、「食べないようにしたほうがいいよね」となります。
ですが、「ダイエット」の観点からすると、「甘いものを食べていけない」ということにはなりません。
中・長期的に生活習慣の改善を目指すのであれば、太りやすいものを食べない事がダイエットではなく、食べる前や食べた後に、どのように調整するかがダイエットとなります。
「食べちゃダメなもの」は特になく、「食べてもいいけど、継続的に食べず、後から調整しようね」となり、上手に付き合っていくことが重要になってきます。
他にも運動の場合、「減量」であれば「早く痩せるため週2回以上は筋トレをがっつりやった方がいいよね」となり、ダイエットであれば「まずはウォーキングから始めて、筋トレなら週1から、徐々に慣れていってもいいよね」となります。
このように「減量」なのか「ダイエット」なのかで、考え方や判断が変わってきます。
緊急を要する「減量」なのか?長期的に自分を変える「ダイエット」なのか?どちらがいいということはないく、今どちらに比重をおいているか自分の中で把握しておくと考え方や判断をしやすくなります。
その都度、どちらなのかを意識しましょう。
「減量思考」の落とし穴
1、2ヶ月の短期間で、ある程度結果を出すには、減量思考はとても大事です。
ですが、常に減量思考でいると大きな落とし穴があり、それはリバウンドのリスクがかなり上がってしまうことです。
なぜかと言うと、体重を落とすことにこだわりすぎると、食事を減らすことになり筋肉が育ちにくく、筋肉が落ちる可能性が高くなるからです。
そして、一番大きな原因は、自分と向き合っておらず応用がきかなくなることです。
減量だと考え方や判断が、
これを食べると痩せる・痩せない
これを食べると身体に良い・悪い
糖質を摂るといい・摂らない方がいい
筋トレをする・しない
この運動はいい・悪い
など、単純化して考えてしまい、トレーナーの指導も「これは食べないでこれを食べて、この運動してください」と単純になってしまいやすいです。
ですが、一生身体を自己管理して健康的で理想な身体を維持するには、そんな単純では続きません。
人間なので、もっと複雑な感情や環境があり、日々変化してます。
そういった自分と対話をして、複雑な環境や自分に合わせて、日々、綱渡りをするよう微調整を行うことがダイエットです。
自分と向き合わず「いい・悪い」「やる・やらない」のような二者択一のような考え方を、言われたように実施したり、判断材料にしたりすると、やっぱり長続きせず、減量モードが終わったらリバウンドしてしまいます。
減量で頑張る時期は大事ですが、痩せることにとらわれて疲弊しないよう、減量とダイエットのバランスをとりながら人生を豊かにしていきましょう。